アカウントのロックアウトが何度も繰り返す原因と特定方法|イベントID 4740で発生元のPCを探す【Windows・AD】

2026年9月公開 / 2026年10月更新株式会社アプリップリ編集部

Windowsのログインまわりのソフトを開発・提供している会社が、中小企業の情シス・総務担当の方に向けて書いています。

この記事を書いた会社の製品・アプリップリキー

ロックアウトの原因になる連続したログオン失敗(総当たり・不正ログオン試行)を検知して、攻撃元IPの自動ブロックと管理者のLINEへの通知まで自動で行います。

目次(タップで開く)

    「アカウントがロックされました」という連絡は、情報システム担当への問い合わせで最も多いものの一つです。解除するだけなら数十秒で終わりますが、同じ人が何度もロックされる場合、解除を繰り返しても解決しません。この記事では、解除の手順と、原因を突き止めるための調べ方を分けて扱います。解除の操作だけを急ぐ場合はロックアウトされたアカウントを解除する手順を参照してください。ロックが第三者の試行によるものかを確かめる手順は不正ログインを無料で確認する方法で扱っています。

    まず解除する

    Active Directory環境の場合

    「Active Directory ユーザーとコンピューター」(dsa.msc)を開き、対象ユーザーのプロパティ →「アカウント」タブで「アカウントのロックアウトを解除する」にチェックを入れて適用します。

    PowerShellの方が速い場合もあります。

    Unlock-ADAccount -Identity ユーザー名

    誰がロックされているかを一覧で出すこともできます。

    Search-ADAccount -LockedOut | Select-Object Name,SamAccountName,LastLogonDate

    朝の時間帯に複数人が同時にロックされている場合、個別の操作ミスではなく共通の原因があります。後述の「繰り返す場合」を確認してください。

    ローカルアカウントの場合

    ドメインに参加していないPCでは、別の管理者アカウントでログインして解除します。

    net user ユーザー名 /active:yes

    管理者アカウントが1つしかなく、それがロックされた場合は詰みます。この状態は復旧に時間がかかるため、管理用のアカウントを別に用意しておく運用が必要です。考え方は 特権アカウントの管理で扱っています。

    Microsoft 365 / Entra ID の場合

    クラウド側のロックは、既定では一定時間の経過で自動的に解除されます。管理者による解除操作は不要なことが多く、パスワードのリセットを行えば即座に使えるようになります。オンプレミスのADと同期している場合は、ロックの発生元がどちら側かの切り分けが先です。

    自社のログイン運用チェック(1/10問)

    業務で使うPCへのログインは、いまどの方法ですか?

    選ぶと2問目へ進みます。残り9問・約3分。入力欄なし・登録不要です。

    打ち間違いによるロックアウトが多い職場では、パスワードを打たずにスマホのワンタッチでWindowsにログインする方法もあります(アプリップリキー)。製品サイトを見る機能・導入手順・ライセンスの仕組みがわかる資料(PDF・登録不要)

    原因を特定する

    解除だけで終わらせると、多くの場合また同じことが起きます。ロックの記録は必ずドメインコントローラーに残っています。

    手順

    • ドメインコントローラーでイベントビューアー(eventvwr)を開く
    • Windowsログ → セキュリティ
    • 「現在のログをフィルター」→ イベントIDに 4740 を入力

    該当のイベントを開くと、「呼び出し元コンピューター名」という項目があります。ここに、失敗したログインを送っている端末の名前が入っています。これが原因特定の起点です。

    PowerShellで直近の分をまとめて出すこともできます。

    Get-WinEvent -FilterHashtable @{LogName='Security'; ID=4740} -MaxEvents 20 | Select-Object TimeCreated,Message

    続けて、その端末で何が起きているかを見ます。ロックの直前には必ずログイン失敗(イベントID 4625)が並んでいます。失敗の記録の見方は Windowsのログイン履歴を確認する方法にまとめています。

    繰り返す場合に疑う5つの原因

    本人がパスワードを間違えていないのにロックされる場合、ほとんどは次のどれかです。人ではなく機械が古いパスワードを送り続けています。

    1. スマートフォンのメール設定

    最も多い原因です。パスワードを変更したあと、スマートフォンのメールアプリに古いパスワードが残っていると、数分おきに自動で認証を試みて失敗を積み上げます。本人はPCで正常に使えているため、原因に気づきません。

    呼び出し元コンピューター名が空欄だったり、見覚えのない名前だったりする場合はこれを疑ってください。

    2. サービスやタスクスケジューラに埋め込まれたパスワード

    サーバーで動いているサービスや定期実行のタスクに、ユーザーのIDとパスワードが設定されていることがあります。パスワード変更時にここを直し忘れると、実行のたびに失敗します。

    人のアカウントをサービスの実行に流用しているのが根本原因です。切り分け方は サービスアカウントの管理で扱っています。

    3. 別のPCにログインしたままになっている

    会議室のPCや共用端末にログオンしたまま離席し、そのセッションが古いパスワードで再認証を試みるケースです。共用PCは誰が使ったか分からなくなりやすく、この問題が起きやすい環境です。対処は 共用PCの認証を参照してください。

    4. マップされたネットワークドライブ

    古い資格情報で共有フォルダに接続する設定が残っていると、起動のたびに失敗します。資格情報マネージャーに保存された古いパスワードが原因のことが多く、コントロールパネルの「資格情報マネージャー」から該当のエントリを削除します。

    5. 実際に攻撃を受けている

    上の4つに当てはまらず、複数のアカウントで同時にロックが起きている場合は、攻撃を疑ってください。特に、社外からアクセスできる状態のサーバーがある場合は可能性が上がります。

    典型的なのは、よく使われるパスワードを多数のアカウントに1回ずつ試す手法です。1アカウントあたりの失敗が少ないためロックされにくく、気づきにくいのが特徴です。攻撃の形は 総当たり攻撃(ブルートフォース)と パスワードリスト攻撃で解説しています。

    ロックアウトの設定値をどう決めるか

    ロックアウトはグループポリシーで設定します。現在の値は次のコマンドで確認できます。

    net accounts

    「ロックアウトのしきい値」「ロックアウト期間」「ロックアウトカウンターのリセット」の3つが表示されます。

    項目厳しすぎる場合緩すぎる場合
    しきい値打ち間違いでロックされ、問い合わせが増える攻撃者に試行回数を与える
    ロックアウト期間業務が長時間止まる攻撃を待つだけで再開できる

    ロックアウトを厳しくしても、パスワードそのものの強さは変わりません。攻撃者にとっては試行の速度が落ちるだけで、正しいパスワードを1回で当てられれば無関係です。設定値の決め方は グループポリシーでのアカウント保護設定と パスワードポリシーの設計で扱っています。

    ロックアウトを「0(無効)」にして問い合わせを止めている場合は注意が必要です。経済産業省のSCS評価制度では、★3の要求事項として、社内PCのログオンに試行回数の制限(失敗が続いたときのロックなど)が求められています。取引先からチェックシートで問われたときに「設定していない」となる項目です。★3で求められる内容は★3でPCログインに多要素認証は必須かで原文に沿って整理しています。

    問い合わせ自体を減らす

    ロックと同様に多いのが、パスワードを忘れたことによるリセット依頼です。どちらも、担当者の時間を継続的に奪います。本人による解除の仕組みや、パスワードに依存しない認証への移行で、件数そのものを減らせます。

    窓口の運用は パスワードリセットの問い合わせ対応、認証方式の見直しは Windowsログインの二要素認証を参照してください。

    よくある質問

    ロックアウトの原因はどこを見れば分かりますか

    ドメインコントローラーのセキュリティログにあるイベントID 4740です。「呼び出し元コンピューター名」に、失敗した認証を送っている端末が記録されています。

    本人は間違えていないのにロックされるのはなぜですか

    スマートフォンのメール設定、サービスやタスクスケジューラ、別PCの開きっぱなしのセッション、資格情報マネージャーに保存された古いパスワードのいずれかが、自動で古い認証情報を送り続けている可能性が高いです。

    ロックアウトのしきい値は何回にすべきですか

    一律の正解はありません。厳しくすると打ち間違いによる問い合わせが増え、緩くすると攻撃者に試行回数を与えます。自社の問い合わせ件数と、社外からの接続経路の有無を踏まえて決めてください。ただし、SCS評価制度の★3では試行回数の制限が求められているため、無効(0)のままにはしないでください。

    いまの運用を棚卸ししてみる

    ロックアウトの多発は、パスワードだけに依存した認証運用の負荷が表面化したものです。解除の手間を減らすことと、侵入を防ぐことは別の問題です。applippliの無料棚卸しでは、10問・約3分で、ID・パスワードに関連する対応状況を、「解決済み/一部解決/人手で対応/未解決」に仕分けた一覧にできます。結果はPDFレポートでもお届けします。個人情報の入力は不要で、会員登録もありません。

    参考・出典

    ※ 本記事は2026年9月時点の一般的な解説です。画面の名称や既定値はWindowsのバージョン・エディションおよび適用されているポリシーによって異なる場合があります。実際の設定変更は、検証環境で確認のうえ実施してください。

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    今回のロックは解除できても、パスワードを打つ運用が続く限り、打ち間違い・変更後に古いパスワードが残った端末・忘れによるロックは繰り返します。問い合わせを減らすにはどこから変えればよいか。10問で、自社で人手に頼っている箇所を洗い出せます。

    入力必須の項目はありません。会社名も任意、会員登録も不要で、電話番号もお伺いしません。

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    株式会社アプリップリ / アプリップリキー

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