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2026年8月

アカウント管理でよくある失敗7パターン|原因は担当者ではなく仕組みにある

アカウント管理の抜けが見つかると、つい「担当者の確認不足」として片づけられがちです。しかし現場で起きている失敗の多くは、注意深さの問題ではなく、情報が届く経路や作業の手順が用意されていないことから生まれます。同じ失敗が会社を変えても繰り返し現れるのは、原因が個人ではなく仕組みの側にあるためです。この記事では、よくある失敗を7つのパターンに整理し、それぞれ「何が起きるか」「なぜ起きるか」「どこを直すか」の順に短く整理します。管理の全体像そのものについてはアカウント管理システムとは?実務6ポイントの解説記事をあわせてご覧ください。

アカウント管理でよくある失敗7パターン

1. 退職者のアカウントが残る

退職した人のIDが有効なまま残り、社外から使える状態が続きます。原因は担当者が忘れることではなく、人事の退職情報が情報システム側に届く経路がないことです。直すべき点は、退職・契約終了の連絡を情シスに必ず回す業務フローを作り、停止作業を人事手続きの一部に組み込むことです。詳しい手順は退職者アカウントの棚卸しの記事で扱っています。

2. 共有アカウントが定着している

複数人が同じIDを使い回すため、誰の操作かを後から特定できません。現場が横着をしているというより、共有せずに済む代替手段が用意されていないのが原因です。個別IDの発行やライセンスの見直し、共有が必要な業務の切り出しを先に用意すると廃止が進みます。進め方は共有アカウント廃止の記事を参照してください。

3. 権限が足し算で増えていく

異動や兼務のたびに権限が追加され、必要以上に広い権限を持つ人が生まれます。原因は、異動時に権限を組み替える手順がなく、追加だけが手続きとして存在することです。役割ごとに必要な権限をあらかじめ定義し、異動時は「付け替え」を原則にすると自然に抑えられます。権限管理の記事で具体的な考え方を解説しています。

4. 台帳と実態がずれる

台帳には載っていないIDが動いていたり、逆に台帳上だけ存在するIDが残ります。作った時点では正確でも、棚卸しの時期と担当が決まっていないため、時間の経過とともに実態と離れていきます。年間の実施時期と担当をあらかじめ決め、突合を定常業務にすることが対策です。ID棚卸しの記事で進め方を整理しています。

5. 人が使わないアカウントが放置される

システム連携やバッチ処理に使うIDが、担当者も用途も分からないまま動き続けます。悪意ではなく、棚卸しの対象範囲が従業員のIDに限られていることが原因です。人が使わないIDも管理対象に含め、用途と責任者を記録する運用に変えます。サービスアカウント管理の記事で押さえるべき点をまとめています。

6. 社外に渡したアカウントが管理外になる

委託先やベンダーに発行したIDが、契約終了後も有効なまま残ります。原因は、契約の情報と情報システムの管理情報が分断していることです。契約の開始と終了に合わせてIDの発行と停止が動くよう、契約管理側と情シスの連絡経路をつなぎます。委託先アカウント管理の記事で整理しています。

7. 管理が属人化する

手順が特定の担当者の記憶にあるため、不在時や交代時に管理が止まります。手順が文書化されておらず、代替担当も決まっていないことが原因です。台帳の置き場所と更新手順を書き残し、複数人が触れる状態にするだけでも大きく改善します。台帳運用の限界と整え方はアカウント管理台帳の記事で解説しています。

共通しているのは「情報が届かない」「手順がない」の二つ

7つのパターンを並べると、原因はおおむね二種類に集約されます。一つは、人事や契約の変化がアカウントを管理する側に届いていないこと。もう一つは、届いたとしても何をどの順番で行うかが決まっていないことです。逆に言えば、連絡経路をつなぐことと、手順を決めて文書に残すことの二点を押さえれば、多くの失敗は個人の努力に頼らず減らせます。担当者の記憶や気づきに依存している部分を洗い出すのが出発点です。

どこから直すか、優先順位のつけ方

すべてを同時に整えるのは現実的ではないため、影響範囲の大きいところから順に手を付けます。目安となる順番は次の通りです。

  • 管理者権限と社外アクセス — 悪用されたときの影響が最も大きい領域です。管理者権限を持つIDの棚卸しと、委託先に渡したIDの確認を最初に行います
  • 退職者アカウントと共有アカウント — 次に、使われていないIDと責任の所在が曖昧なIDを整理します。停止と個別ID化の手順を業務フローに組み込みます
  • 棚卸しの定常化 — その上で、実施時期と担当を決めた棚卸しを定常業務にします。ここまで来ると、ずれが積み上がる前に見つかる状態になります

なお、アカウント管理を整えても、ログイン時の認証がパスワードだけであれば、正しいIDとパスワードを手に入れた第三者の侵入は防げません。管理の整備と認証の強化は両輪で進める必要があります。端末ログインの多要素認証についてはWindows OSログインの2要素認証の記事で解説しています。

まずは自社の状況を確認する

7つのパターンのうち、どれが自社に当てはまるかを把握できれば、着手すべき順番も見えてきます。applippliの無料診断では、約3分の質問に回答するだけで、自社のID・アカウント管理の対応状況を確認できます。

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