applippli
applippli
診断トップへ

2026年9月

BitLockerの回復キーを確認する方法|保管場所と全社での管理手順

ある朝、PCを起動すると青い画面で48桁の回復キーを求められる——という事態は、実際に起こります。ハードウェアの構成変更やBIOSの更新がきっかけで、BitLockerが「いつもと違う」と判断したときです。このとき回復キーがなければ、そのPCの中身は取り出せません。暗号化は正しく機能しているからこそ、鍵がなければ持ち主でも開けられません。この記事では、確認方法と全社での管理を扱います。

先に確認しておく(推奨)

回復キーは、必要になる前に確認しておくものです。ロックされてからでは、そのPCで調べることはできません。

稼働中のPCで確認するには、管理者権限のコマンドプロンプトで次を実行します。

manage-bde -protectors -get C:

「数値パスワード」の項目にある48桁の数字が回復キーです。「ID」も併記されるので、両方を控えてください。

暗号化の状態そのものを確認する場合はこちらです。

manage-bde -status

「保護状態: 保護オフ」と表示される場合、暗号化が有効になっていません。回復キー以前の問題として、その端末は紛失時に中身を読まれます。

全社の状況を把握する必要がある場合、この確認を各PCで行うことになります。台数が多い場合は、後述の集中管理の仕組みを先に整える方が確実です。

保管先ごとの確認方法

回復キーがどこに保管されているかは、そのPCの構成によって変わります。4つのパターンがあります。

構成確認場所
個人のMicrosoftアカウントでサインイン別の端末で account.microsoft.com/devices/recoverykey を開く
Microsoft 365 / Entra ID に参加管理者が entra.microsoft.com のデバイス一覧から確認
Active Directory ドメインに参加dsa.msc でコンピューターオブジェクトのBitLocker回復タブ
どこにも保管していない印刷・保存したファイルを探すしかない

Entra ID での確認手順

  • entra.microsoft.com にサインイン
  • ID → デバイス → すべてのデバイス
  • 対象のPCを選び、「BitLocker キー」を表示

この操作には相応の権限が必要で、閲覧した記録も残ります。回復キーは端末の中身すべてに相当する情報なので、参照できる担当者を限定してください。

Active Directory での確認手順

「Active Directory ユーザーとコンピューター」で対象のコンピューターオブジェクトを開き、「BitLocker 回復」タブを見ます。

このタブが表示されない場合、機能が追加されていません。サーバーマネージャーの機能の追加から、BitLockerドライブ暗号化の管理ツールを導入すると表示されます。

回復キーがない場合

率直に書きます。回復キーが見つからず、そのPCがロックされた場合、データを取り出す方法はありません。ディスクを取り外して別のPCに接続しても、暗号化されているため読めません。

これはBitLockerの欠陥ではなく、設計どおりの動作です。盗難時に読めないという性質は、鍵を失った持ち主に対しても同じように働きます。

できるのは、ディスクを初期化して再セットアップすることだけです。データはバックアップからの復元に頼ることになります。この意味で、暗号化とバックアップは必ず対で考える必要があります。

全社で確実に保管する

個々の利用者に「回復キーを保管しておいてください」と伝える運用は、必ず破綻します。紙で渡せば紛失し、PC内に保存すれば意味がありません。自動的に保管される仕組みを作ってください。

グループポリシーで、回復キーをActive Directoryへ自動的に預ける設定ができます。

コンピューターの構成 → ポリシー → 管理用テンプレート → Windows コンポーネント → BitLocker ドライブ暗号化

  • 「BitLocker で保護されているドライブの回復方法を選択する」を有効にする
  • 「BitLocker 回復情報を AD DS に保存する」にチェック
  • 「AD DS への回復情報の保存が完了するまで BitLocker を有効にしない」にチェック

3つ目が重要です。これを設定しておくと、保管に失敗した端末では暗号化そのものが始まりません。「暗号化されているが鍵がどこにもない」という最悪の状態を、構造的に防げます。

グループポリシーの配布と適用確認の方法は グループポリシーでのアカウント保護設定にまとめています。

そもそも暗号化されているか

回復キーの管理以前に、暗号化されていない端末が残っていないかの確認が先です。特に、以前から使い続けているPCや、量販店で購入した端末では有効になっていない場合があります。

持ち出す端末については、暗号化が最後の防御になります。紛失・盗難時に、画面ロックやパスワードは意味を持ちません。ディスクを取り出されれば迂回されるためです。関係の整理は BitLockerと認証の役割の違い、持ち出し端末の運用は 持ち出しPCのID管理で扱っています。

逆に、暗号化は「使われている最中」には効きません。ログイン済みの状態でPCを操作されれば、中身は普通に読めます。離席時の対策は 離席時の自動画面ロック、認証そのものの強化は Windowsログインの二要素認証を参照してください。

よくある質問

BitLockerの回復キーはどこで確認できますか

稼働中のPCなら管理者権限のコマンドプロンプトで manage-bde -protectors -get C: を実行します。ロックされている場合は、Microsoftアカウント(account.microsoft.com/devices/recoverykey)、Entra IDのデバイス一覧、Active Directoryのコンピューターオブジェクトのいずれかを、構成に応じて確認します。

回復キーを紛失したらどうなりますか

データを取り出す方法はありません。ディスクを別のPCに接続しても暗号化されているため読めません。初期化して再セットアップし、バックアップから復元することになります。

回復キーを全社で確実に保管するには

グループポリシーで、回復情報をActive Directoryに自動保存する設定を有効にします。あわせて「保存が完了するまでBitLockerを有効にしない」を設定すると、鍵が保管されていない端末で暗号化が始まることを防げます。

自社の対応状況を確認するには

暗号化と回復キーの管理は、端末を失ったときの備えです。一方、アカウントが乗っ取られる経路には効きません。両面の状況を把握することが必要です。applippliの無料診断では、約3分の質問に回答するだけで、ID・パスワードに関連する対応状況を5段階で判定し、結果をPDFレポートでお届けします。個人情報の入力は不要で、会員登録もありません。

参考・出典

※ 本記事は2026年9月時点の一般的な解説です。画面の名称やURLは変更される場合があり、利用できる機能はWindowsのエディションおよびライセンスによって異なります。設定の変更前に、回復キーの保管状況を必ず確認してください。

自社の状況を無料で診断してみませんか?

約3分・10問の質問に答えるだけで、サーバー/PC・端末/リモートアクセス/パスワード管理/アカウント管理の5分野が、それぞれ5段階のどこにあるかがわかります。

入力必須の項目はありません。会社名も任意、会員登録も不要で、電話番号もお伺いしません。

© 2026 株式会社アプリップリ