パスワードをメモ帳・付箋で管理するのは危険?テキストファイルやExcel保存のリスクと代替手段

2026年8月公開 / 2026年10月更新株式会社アプリップリ編集部

Windowsのログインまわりのソフトを開発・提供している会社が、中小企業の情シス・総務担当の方に向けて書いています。

この記事を書いた会社の製品・アプリップリキー

付箋のパスワードを見られても、本人のスマホで承認しなければログインできない状態にできます。

この記事の要点

  • ✓付箋がなくならない原因は本人の意識ではなく、覚えきれない量のパスワードを求めていることです
  • ✓問題になりやすいのは、清掃や来客など社外の人の目や、写真・オンライン会議の背景への写り込みです
  • ✓メモ帳やExcelへの保存も同じく危険です。禁止の通達ではなく、書かなくても業務が回る状態を作ります
目次(タップで開く)

    モニターの縁に付箋、キーボードの裏、引き出しの中のメモ帳。パスワードを紙に書いて管理している状態は、多くの職場に残っています。禁止を通達しても数か月で戻るのが実情です。この記事では、なぜ戻ってしまうのかを整理したうえで、「書かずに済む状態」をどう作るかを負担の小さい順に扱います。

    なぜ付箋がなくならないのか

    原因は本人の意識ではなく、覚えられない量のパスワードを覚えるよう求めていることです。

    • 業務で使うサービスが増え、10個以上のパスワードを持っている
    • サービスごとに文字種や長さの条件が違う
    • 定期変更を強制されるため、覚え直しが発生する
    • 忘れると業務が止まり、リセットの手間も大きい

    この状況で「書くな」と言えば、より見つかりにくい場所に隠すだけです。状態は悪化し、管理側からは見えなくなります。

    特に定期変更の強制は、書き留める動機を直接作ります。近年は期限による強制変更を求めない方向が主流です。考え方は パスワードポリシーの設計で扱っています。

    自社のログイン運用チェック(1/10問)

    業務で使うPCへのログインは、いまどの方法ですか?

    選ぶと2問目へ進みます。残り9問・約3分。入力欄なし・登録不要です。

    付箋に書くのは覚えきれないからです。パスワードを打たずにスマホのワンタッチでWindowsにログインする方法もあります(アプリップリキー)。製品サイトを見る機能・導入手順・ライセンスの仕組みがわかる資料(PDF・登録不要)

    実際に起きること

    入館できる人すべてが対象になる

    付箋で問題になるのは、社員による悪用よりも社外の人が執務エリアに入る場面です。

    • 清掃、設備点検、什器の搬入
    • 来客の待機・打ち合わせ
    • 保守ベンダーの作業

    短時間でも、スマートフォンで撮影されれば記録が残ります。盗まれた形跡がないため、気づく手段がありません。

    写真に写り込む

    採用サイトの職場紹介、社内報、SNS、オンライン会議の背景。意図せず公開された画像に付箋が写る事故は実際に起きています。

    この経路の問題は、不特定多数に届いた後で回収できないことです。

    退職時に回収できない

    紙に書かれたパスワードは、持ち出されても分かりません。アカウントを削除すれば無効化できますが、その削除自体が漏れやすい作業です。

    退職者アカウントの棚卸しを参照してください。

    パソコンのメモ帳(テキストファイル)やExcelに保存するのは危険か

    付箋をやめた結果、パスワードをWindowsのメモ帳で「パスワード.txt」として保存したり、Excelの一覧にまとめたりしている職場も少なくありません。紙より安全に見えますが、ファイルには紙にない危険があります。

    • そのPCに入れる人は誰でも開ける — 共用PCや共有IDのPCでは、ログインした全員が同じファイルを開けます。
    • 勝手に複製される — OneDriveなどの同期、バックアップ、メール添付で、本人も知らない場所にコピーが残ります。退職者が持ち出しても気づけません。
    • まとめて盗まれる — PCに入り込むウイルスには、「パスワード」「password」といった名前のファイルや、ブラウザに保存された情報を探して送り出すものがあります。1つのファイルに全部が書いてあれば、一度で全部が漏れます。
    • 検索で見つかる — Windowsの検索で「パスワード」と入れれば、ファイル名や中身から簡単に見つかります。

    Excelにパスワードを掛けても、そのパスワードをまた覚える必要があり、同じことの繰り返しです。付箋もメモ帳もExcelも、原因は「覚えきれない量のパスワードを覚えさせている」ことで共通しています。置き場所を変えるのではなく、覚える量そのものを減らすのが次の節の考え方です。

    ポイント

    「書くな」と通達するだけでは、より見つかりにくい場所に隠されるだけです。覚えきれない量のパスワードを求めている状態そのものを変えます。

    代替手段:負担の小さい順

    「書かなくても業務が回る状態」を作るのが目的です。禁止の通達は手段になりません。

    ① 定期変更の強制をやめる

    費用ゼロで、書き留める動機を最も直接的に減らせます。

    期限による強制変更をやめる代わりに、使い回しの禁止、漏洩が疑われる場合の即時変更、十分な長さの確保を条件にします。変更の頻度を落とすと、覚えられる可能性が上がります。

    Windows環境での設定変更は グループポリシーによるアカウント保護の設定で扱っています。

    ② パスワード管理ツールを配る

    覚える対象を1つに減らす方法です。管理ツールのパスワードだけを覚え、残りはツールに保存します。

    導入時の注意点は、そのツール自体が突破されたときの影響が大きいことです。管理ツールには必ず二要素認証を掛けます。掛けない運用では、リスクを1か所に集めただけになります。

    ③ ログインの回数自体を減らす

    シングルサインオンで、認証する場面を減らす方法です。ただしまとまらない範囲が必ず残ります。PC本体へのログインや社内サーバーへの接続は対象外になることが多いです。

    シングルサインオンの基本と限界で範囲を整理しています。

    ④ 覚える必要のない認証に変える

    ICカードや生体認証を使い、そもそも文字列を覚えない形にする方法です。書き留める理由が消えます。

    PCの生体認証ログイン、 ハードウェアキーによる認証で扱っています。費用の考え方は 多要素認証の費用構造を参照してください。

    やってはいけない対処

    対処なぜ良くないか
    禁止の通達だけ出す見つかりにくい場所へ移るだけで、管理側から見えなくなる
    抜き打ち検査で指摘する隠す動機を強め、実態把握がさらに困難になる
    共有のパスワード一覧を作る1か所が漏れると全アカウントに波及する
    条件をさらに厳しくする覚えられなくなり、書き留める動機が増える

    付箋は、規則が現場の実行可能性を超えていることを示す症状です。症状を隠すのではなく、規則の側を実行できる水準に合わせる方が結果につながります。

    すぐできる確認

    現状を把握するには、次の3点を見るだけで十分です。

    • 1人あたり、業務で使うパスワードは何個あるか
    • 定期変更を強制しているか。強制している場合、何日ごとか
    • 管理ツールを配布しているか。配布している場合、二要素認証を掛けているか

    1つ目が5個を超えていて、2つ目が「あり」で、3つ目が「なし」なら、付箋は必ず存在します。探すまでもなく構造的にそうなります。

    よくある質問

    付箋を貼るのは本人の意識の問題ではないのですか

    覚えられない量を覚えるよう求めている場合、意識では解決しません。パスワードの個数と変更頻度を減らす方が確実です。

    パスワード管理ツールは安全ですか

    突破された場合の影響が大きいため、ツール自体に二要素認証を掛けることが前提になります。掛けない運用では、リスクを1か所に集めただけになります。

    パスワードをメモ帳やExcelに保存するのは危険ですか

    危険です。そのPCに入れる人なら誰でも開け、同期やバックアップで複製され、ウイルスにまとめて盗まれることがあります。付箋と同じく、覚えきれない量のパスワードを求めていることが原因なので、覚える量を減らす対策が必要です。

    紙に書くことが絶対に禁止されている規格はありますか

    一般に規格は「紙に書くな」という形ではなく、権限のない者がアクセスできない状態を求めます。施錠された場所での保管が認められる場合もありますが、モニターや机上への貼付はその条件を満たしません。

    いまの運用を棚卸ししてみる

    applippliの無料棚卸しでは、10問・約3分で、パスワードの管理と認証の状況を、「解決済み/一部解決/人手で対応/未解決」に仕分けた一覧にできます。結果はPDFレポートでもお届けします。個人情報の入力は不要で、会員登録もありません。

    この記事を社内で共有する

    代替手段は分かりました。メモをなくす近道は、覚えて打つ場面そのものを減らすことです。それがどこかを10問で一覧にできます。

    入力必須の項目はありません。会社名も任意、会員登録も不要で、電話番号もお伺いしません。

    この記事を書いた会社

    株式会社アプリップリ / アプリップリキー

    付箋のパスワードを見られても、本人のスマホで承認しなければログインできない状態にできます。

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