ランサムウェアの侵入経路は4件に3件がVPNとリモートデスクトップ|警察庁2026年上半期統計と、入られた後に狙われるPC

2026年10月公開株式会社アプリップリ編集部

Windowsのログインまわりのソフトを開発・提供している会社が、中小企業の情シス・総務担当の方に向けて書いています。

この記事の要点

  • ✓2026年上半期のランサムウェア被害は123件で、半期ごとの集計を始めてから最多。うち79件(約64%)が中小企業でした
  • ✓侵入経路が分かった36件のうち、VPN機器が18件、リモートデスクトップが9件で、合わせて4件に3件です
  • ✓どちらの経路も、入った後は社内のPC・サーバーへのログインで広がります。入口だけでなく、その先のログインまで確認が必要です
目次(タップで開く)

    「うちのような小さな会社は狙われない」。ランサムウェアの話をすると、よくこう言われます。しかし警察庁の統計を見ると、被害を受けているのは大企業より中小企業のほうが多く、しかも入口はほぼ決まっています。

    この記事では、警察庁が公表した令和8年(2026年)上半期の統計をもとに、被害の規模と侵入経路を整理し、2026年10月に相次いだ被害もあわせて、中小企業が確認すべきことをまとめます。

    2026年上半期のランサムウェア被害は123件、うち79件が中小企業

    警察庁「令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、2026年1〜6月に警察へ報告されたランサムウェアの被害は123件でした。2020年下半期に半期ごとの集計を始めてから最多です。

    規模件数割合
    中小企業79件約64%
    大企業31件約25%
    団体等13件約11%

    業種も製造業(37件)、卸売・小売業(15件)、情報通信業・不動産業・医療福祉(各9件)、建設業(8件)と幅広く、特定の業種だけが狙われているわけではありません。攻撃者は会社の規模や業種を選んでいるのではなく、入りやすい入口を探しています。

    侵入経路は、4件に3件がVPN機器とリモートデスクトップ

    同じ統計で、被害企業への調査から侵入経路が分かった36件の内訳は次のとおりです。

    侵入経路2026年上半期過去5年(2021〜2025年)合計
    VPN機器からの侵入18件(50%)293件(約60%)
    リモートデスクトップからの侵入9件(25%)105件(約22%)
    不審メールやその添付ファイル—24件(約5%)
    その他9件(25%)63件(約13%)

    ※ 2026年上半期の内訳は、経路が不明・未回答のものを除いた36件。2026年上半期の統計表には「不審メール」の区分がありません。

    「怪しいメールを開かないように」という注意は大切ですが、統計上の主な入口はメールではありません。社外から社内につなぐための仕組み(VPNとリモートデスクトップ)が、そのまま攻撃者の入口になっています。

    VPNやリモートデスクトップの先にあるPC・サーバーのログインに、社員のスマホでのワンタッチ承認を加える方法があります(アプリップリキー)。製品サイトを見る機能・導入手順・ライセンスの仕組みがわかる資料(PDF・登録不要)

    入口は違っても、入った後はPC・サーバーへのログインで広がる

    VPNから入った攻撃者も、リモートデスクトップから入った攻撃者も、その後にすることは同じです。社内のPCやサーバーにログインし、管理者のパスワードを探し、次のPC・サーバーへログインすることを繰り返して、暗号化できる範囲を広げます。

    2026年10月20日に米CISA・FBIなどが公表したランサムウェア「SafePay」の注意喚起でも、入った後は正規のアカウントでリモートデスクトップを使って広がると説明されています(SafePayランサムウェアの侵入手口)。国内で調査結果が公表された事例でも、同じ流れが繰り返し確認されています。

    VPNの多要素認証だけでは足りない理由

    VPNに多要素認証を入れても、VPN装置そのものの脆弱性を突かれると認証を通らずに入られます。統計で「VPN機器からの侵入」が最も多いのはこのためです。入られた後の段階、つまり社内のPC・サーバーのログインに2つ目の要素があれば、盗んだパスワードだけでは先へ進めません。

    自社のログイン運用チェック(1/10問)

    業務で使うPCへのログインは、いまどの方法ですか?

    選ぶと2問目へ進みます。残り9問・約3分。入力欄なし・登録不要です。

    2026年10月も被害の公表が続いている

    2026年10月に入ってからも、ランサムウェアによる大きな被害の公表が続いています。たとえば大阪公立大学では10月2日に情報基盤システムで大規模な障害が起き、報道によれば大学はランサムウェアによる攻撃と判断していると説明し、全キャンパスで休講となりました。クラウドサービスの「IDCFクラウド」でも、10月7日に一部システムへの不正アクセスが公表されています。

    これらの事案はまだ調査中で、侵入経路は公表されていません。ただ、統計が示すとおり、入口の多くは社外からつなぐための仕組みで、入った後はログインで広がります。「どこから入られたか」が分かる前に自社で確かめられるのは、入られた後に広がらない状態になっているかどうかです。

    2要素認証にすると、ログインの手間はどう変わるか

    いま(パスワードだけ)

    1. 長いパスワードを毎回入力打ち間違えればやり直し
    2. 忘れたら情シスへ連絡覚えきれず使い回しが起きる
    3. 漏れたらそのまま入られる鍵はパスワード1つだけ

    スマホでワンタップ承認にすると

    1. 1PCのログイン画面を開くいつものWindowsのログイン
    2. 2スマホの通知をワンタップ本人のスマホが2つ目の鍵
    3. 3ログイン完了パスワードを盗まれても、スマホがなければ入れない
    パスワードを打つ操作が、スマホのワンタップに置き換わります。手順は増えるどころか減り、パスワード忘れの問い合わせも減ります。電波の届かない場所ではワンタイムパスワードも使えます。サーバーやActive Directoryは不要で、設定は1台あたり約5分です。(操作の流れのイメージです。画面は製品の実物とは異なります)

    自社で今日確認できること

    被害に遭った場合の費用は、同じ統計で復旧費用が1,000万円以上だった例が21件あります(費用の回答があった35件中)。費用の内訳は不正アクセスの被害額で整理しています。

    出典

    記事中の数値と事実関係は、上記の公表内容・報道(2026年10月26日時点で確認)に基づきます。割合は当社で算出しました。

    いまの運用を棚卸ししてみる

    VPNやリモートデスクトップの先にあるPC・サーバーのログインがどう守られているか。applippliの無料棚卸しでは、10問・約3分で、PCログインまわりで何が手当て済みで、何がパスワードだけのまま残っているかを一覧にできます。

    「うちは狙われない」「そこまでは必要ない」と感じたら

    2要素認証を見送る理由になりやすい前提を、10問で確かめられます。点数は出ず、入力欄もありません。

    PC本体の2要素認証は「そこまで必要」か、10問で確かめる
    この記事を社内で共有する

    入口の多くはVPNとリモートデスクトップでした。その先のPC・サーバーのログインがどう守られているかを、10問で一覧にできます。

    入力必須の項目はありません。会社名も任意、会員登録も不要で、電話番号もお伺いしません。

    この記事を書いた会社

    株式会社アプリップリ / アプリップリキー

    アプリップリキーは、Windowsのログインをスマートフォンのワンタッチにする国産ソフトです。パスワードを覚えて打つ運用をなくし、誰がいつPCを使ったかを記録に残します。

    製品サイトを見る
    © 2026 株式会社アプリップリ