「パスワードが1つ漏れただけ」と軽く考えてしまいがちですが、企業のID・パスワードが漏洩すると、その影響は個人アカウントの乗っ取りにとどまりません。この記事では、パスワード漏洩が企業に及ぼす影響と、万が一漏洩に気づいたときの初動対応の手順を解説します。
パスワードが漏洩すると何が起きるのか
ID・パスワードが第三者に知られると、攻撃者は正規の利用者になりすまして、PCやサーバーに直接ログインできてしまいます。具体的には、次のような被害につながる恐れがあります。
- 重要情報の流出:会計データ・顧客情報・販売管理データ・給与情報などが盗み出される
- ランサムウェア被害:侵入後に管理者権限を奪われ、サーバー内のデータを暗号化・人質化される
- 取引先への二次被害:盗まれた認証情報が、取引先や委託先への侵入の踏み台にされる
- 信用の失墜:情報漏洩の公表により、取引先や顧客からの信頼を失う
特に近年は、1つの漏洩したパスワードが、他のサービスでも使い回されていることを悪用した「リスト型攻撃」も増えています。
なぜ気づきにくいのか
パスワード漏洩による不正ログインは、正規の利用者と同じ手順でログインしてくるため、ウイルス対策ソフトでは検知しにくいという特徴があります。攻撃者は目立たないように少しずつ情報を盗み出すこともあり、被害に気づいたときには既に大きな損害が発生しているケースも少なくありません。
漏洩に気づいたときの初動対応
万が一、ID・パスワードの漏洩や不正ログインの疑いに気づいた場合は、被害の拡大を防ぐために、以下の手順で速やかに対応します。
- 1. 該当アカウントのパスワードを即時変更し、可能であれば一時的に無効化する
- 2. 影響範囲を確認:同じパスワードを使い回している他のアカウントがないか洗い出す
- 3. ログイン履歴・アクセスログを確認し、不正アクセスの痕跡がないか調べる
- 4. 多要素認証を有効化し、パスワードのみでログインできない状態にする
- 5. 必要に応じて専門機関・セキュリティベンダーに相談する
そもそも「漏れても入れない」状態にしておく
最も重要なのは、漏洩が起きてから対応することではなく、漏洩しても、それだけでは侵入されない状態をあらかじめ作っておくことです。多要素認証を導入していれば、パスワードが盗まれただけではログインできず、被害を大幅に防げます。詳しくは 多要素認証(MFA)とは?の解説記事をご覧ください。
実際に発生したID・パスワード漏洩の事例は ID・パスワード漏洩の実例と対策で、入口対策だけでは防げない理由は ランサムウェア対策は入口対策だけでは不十分な理由で詳しく解説しています。
まずは自社の状況を確認する
自社のID・パスワードが漏洩した場合にどこまでリスクがあるかは、現状の認証方式によって大きく異なります。applippliの無料診断では、約3分の質問に回答するだけで、自社のリスクレベルと、国主導のSCS評価制度への対応状況を確認できます。
