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2026年8月

不正アクセス・ランサムウェア被害データ集【2026年版】

本ページは、警察庁・IPA・JIPDECが公表している統計と、企業が公式に発表した主要インシデントを、侵入経路別に分類し時系列で整理した参照用データ集です。個別記事に散らばっている情報を一箇所にまとめ、出典を明記しています。引用・参照される際は本ページへのリンクをお願いいたします。

公的統計で見る実態

警察庁・総務省・経済産業省が毎年公表している調査によると、不正アクセス行為の手口のうち「識別符号窃用型(ID・パスワードを悪用した手口)」が全体の90%以上を占めています。

出典:警察庁・総務省・経済産業省「不正アクセス行為の発生状況」 ↗

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の届出集計によると、不正アクセスによる被害の原因として「ID・パスワード管理の不備」が最も多いと報告されています。

出典:IPA「不正ログイン対策特集ページ」 ↗

JIPDEC(日本情報経済社会推進協会)は2026年4月、アクセス権限の設定不備による個人情報の誤公開が増加しているとして注意喚起を行い、認証の強化(多要素認証の導入等)の確認を呼びかけています。

出典:JIPDEC「【注意喚起】アクセス権限の設定不備による個人情報の誤公開が増加しています」(2026年4月14日) ↗

研究データで見る多要素認証(MFA)の効果

Microsoftの研究チームが、実際のAzure Active Directoryの大規模データをもとに多要素認証の効果を分析した論文では、次のような結果が報告されています。

99.99%

MFAを使っているアカウントは、攻撃を受けても無事だった割合

99.22%

MFA未使用と比較した、侵害されるリスクの減少幅

98.56%

パスワードが漏洩した最悪のケースでも、MFAが攻撃を防いだ割合

出典:Lucas Augusto Meyer et al., "How Effective is Multifactor Authentication at Deterring Cyberattacks?", arXiv:2305.00945, CC BY 4.0 ↗

主要インシデント年表(侵入経路別)

企業が公式に発表した主要インシデントを時系列で整理しました。多くが「経路1:盗まれたID・パスワードによる正規ログイン」を起点にしている点が特徴です。

2024年12月経路2(脆弱性)

株式会社マルニ|ランサムウェア攻撃

パスワードの漏洩、またはVPN機器の脆弱性を悪用されたことによる不正アクセスが起点となり、複数のサーバーがランサムウェアにより暗号化される被害が発生したと報じられています。

出典:ScanNetSecurity
2025年6月経路1(正規ログイン)

株式会社パルグループホールディングス|「PAL CLOSET」への不正ログイン

外部サービスから流出したID・パスワードを使った「リスト型攻撃」により、約172万件のログイン試行のうち19万4,307件が成功。会員の氏名・住所・電話番号等が閲覧された可能性があると公表されました。

出典:株式会社パルグループホールディングス 公式発表
2025年9月経路1・経路2

アサヒグループホールディングス|ランサムウェア攻撃

拠点のネットワーク機器を経由して社内ネットワークに侵入され、データセンターでパスワードの脆弱性を突かれて管理者権限を奪取されたことが原因と報告されています。ランサムウェアによりシステムが停止し、取引先・従業員情報約11万5,000件の漏えいが確認されました。

出典:アサヒグループホールディングス 公式発表
2025年10月経路1(正規ログイン)

アスクル株式会社|ランサムウェア攻撃

業務委託先が使用していた管理者アカウントの認証情報が漏洩し、多要素認証が適用されていなかったことが侵入口に。窃取したID・パスワードを使いVPN経由で社内ネットワークに侵入され、個人情報約74万件が流出したと公表されました。

出典:アスクル株式会社 プレスリリース
2026年6月経路2(脆弱性)

KDDI株式会社|ISP事業者向けメールシステムへの不正アクセス

システムで利用していた第三者製ソフトウェアの脆弱性を悪用され、メールアドレス・パスワードが最大1,422万件漏えいした可能性があると発表されました。大規模な認証情報流出は、他サービスでの不正ログイン(パスワードの使い回し)のリスクにも直結します。

出典:KDDI株式会社 報道発表資料

※ 上記は公表されている主要インシデントの一部です。分類は各社発表内容をもとにした当サイトの整理であり、各社の公式見解ではありません。

侵入経路4分類と対策のマッピング

上記のインシデントを、侵入経路ごとに整理すると次の4つに分類できます。それぞれ有効な対策が異なる点に注意が必要です。

経路概要有効な対策
経路1正規ログイン盗まれたID・パスワードを使い、正規の利用者になりすましてログインする多要素認証(MFA)
経路2脆弱性の悪用VPN機器・サーバーソフトウェアの脆弱性を突かれ、認証を経由せず侵入されるパッチ適用・脆弱性管理
経路3メール添付・不正サイト利用者が不正なファイルを開く、改ざんされたサイトにアクセスしてしまうウイルス対策・従業員教育
経路4ソフトウェアサプライチェーン開発元・配信の仕組みが侵害され、正規の更新に紛れてマルウェアが配布される供給元の信頼性確認

経路の詳しい解説は 多要素認証はランサムウェアに有効?防げる経路と防げない経路で扱っています。

SCS評価制度との対応

国(経済産業省)が主導するSCS評価制度でも、ID・パスワード管理や認証強化に関する項目が評価対象に含まれています。詳しくは SCS評価制度とは?★3・★4の要求事項とID・パスワード関連項目を解説をご覧ください。

まずは自社の状況を確認する

上記のインシデントの多くは、多要素認証が適用されていれば防げた可能性があるという共通点があります。applippliの無料診断では、約3分の質問に回答するだけで、自社のID・パスワード管理の状況とSCS評価制度への対応状況を確認できます。

※ 本ページに掲載した情報は、各出典元が公表した時点の内容に基づきます。最新の状況は各出典元の発表をご確認ください。

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